用事があり、家族で東京周辺へ行ってきました。
宿泊は川崎市内の南武線沿線。
東京には7年近くいましたが、今回行った地域は初めて行くところでした。
手づくりのお豆腐屋さんや老舗のお茶屋さんが元気に商売をしている、下町気質の素敵な町でした。
ベビーカーを押すお母さんをたくさん見かけたので、きっと住みやすいのだと思います。
夕方、家族で夕食を買いがてら、散歩に出ました。
駅前をスーパーに向かって歩いていると、娘が「ぽいー!」と言って、吸い殻を拾ってきました。
息子も「あ、ここにも!」と言って拾い集め始めました。
のんびりしている町とはいっても、どうしても都市部の駅前ですから、拾い甲斐のある状況です。
主人は、「まさか全部拾うつもりか!」と驚愕していましたが、特に急ぐ理由もないので、こういうときはできるだけ好きにさせておくことにしています。
子供たちが拾ってきたごみは私の手の中に預かり、やがてポーチの中にビニル袋を持っていることに気づいたので、そこへまとめました。
二人ともひとしきり拾って、満足していました。
旅先だとか都会だとか、とても拾えないほどのごみだとか、そういうことは子供の純粋な目には関係ないんだな、と気づかされます。
さて、宿泊先は家族的な雰囲気の小さなホテル。
主人が見つけてくるのは、いつもこんな感じで、リーズナブルでありながら、清潔でとても温かい雰囲気のところばかりです。
最初に入口を入ると、上品な物腰の女主人が、たぶんお孫さんであろう寝ている赤ちゃんを子守しながらフロント業務をされていて、思わずひそやかな声で会話をしてしまいました。
従業員の方もとても誠実な方々でした。
サービスで予定より大きい部屋にしていただき、家族で小さ目の大浴場を貸し切りにもしていただき、ゆっくり休むことができました。
きょうは、都内の一般道を走っているとき、コンビニに立ち寄って小路に入り込んでしまいました。
Uターンは難しそうで、先は車一台がやっとの道。
道なりに行って抜けられるかどうか、停車して主人と協議していると、窓をこつこつとノックする音。
地元民らしいおじさんが「もしかして道なりに行くつもり?この道は通れないよ。ここでUターンできるようにしてあげるよ」と言ってマンション前のカラーコーンをどけてくれました。
町内の用事か何かでそのお向かいのお宅を訪ねて来られていたようでした。
何度もお礼を言って、無事にUターンできました。
18のときから東京に暮らすうち、世の中のセオリーに反発する気持ちもあって「都会だからって人情薄いってことはない」とずっと思っていました。
でもやっぱり都会で親切にしてもらったり、だれもが忙しそうな雑踏の中で、子供に話しかけてもらえたりすると、喜びが大きいような気がしました。
小さな旅で出会った人たちの顔を思い起こしながら、感謝してやすもうと思います。